達成感をもとめて

RRC member interview

text:Shun Sato

第12クール Cチーム(目標:フルマラソンsub4)MVP 楠裕香さん

 名古屋でサブ4達成

 サブ4(3時間54分04秒)は3回目のマラソンになる名古屋ウイメンズ2025で達成することができました。目標をクリアできたのは、20、30キロのロング走を入れたり、レース前に八丈島のハーフを入れることで課題だった後半の失速を抑えられたからだと思います。

 仲間のサポート

 でも、一番大きかったのは、智世(竹輪)ちゃんのサポートです。「名古屋、引っ張ってあげるよ」って言われて、もらったりぼんのついた帽子をかぶって、スタート地点に行きました。そこで、しいー(椎名啓子)ちゃんに会い、一緒に行こうということになったんです。3人とも同じユニフォームで走っていたので、「サブ4のペーサーが来た」と沿道の人に言われて、うしろを見るとすごい人がいっぱいいて、ビックリしました。

 前を向くことに集中

 智世ちゃんと一緒に走って思ったのは、時計を見ないで走ることがすごくラクだということでした。私は、心拍数をよく見ていて、上がるとつらくなってしまうんです。でも、今回は1キロのラップを確認するぐらい。エイドや水も全部取ってくれました。脚が攣るのでナトリウムパウダーを採ろうとしたら「量が多いから5キロずつ採ろう」と半分飲んだものを預かってくれて、飲んだらゴミも捨ててくれて、まっすぐ走ることだけに集中できたんです。途中、智世ちゃんが「ひーちゃんとサブ4でゴールしてるの考えたら泣けてきた」と言い出して、私も泣けるやんって思って走りました。本当に致せり尽くせり、智世ちゃんにおんぶにだっこでサブ4を達成させてもらった感じです。

 苦手な上りを克服するために

 マラソンを始めたのは、最初はトレイルの強化のためでした。私は下りが得意なんですが、上りが苦手で、ロードで走力を鍛えないともう伸びないと思ったのです。2024年の目標をロードのレースに出ることにして、ハーフ、埼玉マラソン、富士五湖100キロにエントリーしました。

マラソンを走る覚悟

トレイルは前の選手を一人抜いたらひとつ順位が上がるのですが、それがけっこう大きいんです。でも、マラソンは自分との戦いで、タイムとの戦いじゃないですか。つくばの時、サブ4のペーサーに追いつかれてついていけなくなった時、もうタイムを切れないとショックを受けて、半泣きして走っていました。トレイルは上りだから歩こうとか、けっこう休めるんですけど、そういう違いも感じました。だから、マラソンに対して最初はかなりネガティブでした(苦笑)。私は、一定のペースで走れないのがネックで、かなり上下するので結果、失速するんです。これはひとりでやっていてもダメだ。ちゃんとペーサーについて走る練習をしないといけないと思って、RETOに入ったのですが、それがすごく大きかったですね。

 自分らしい目標設定

 これからはロードに比重を置くとかはなくて、ロードもトレイルも100%両方楽しみたいと思っています。性格的に中途半端にやるのが嫌いで、自分が決めたことはやり切るのですが、背伸びした目標を立てて、それが出来ないと思った瞬間、嫌になってしまうんです。サブ4を達成したから次はすぐにサブ3.5を目指そうとは思わないですし、トレイルも35キロ走れたら、次100キロと言われても、まず50キロからと思うんです。それが出来たらまた伸ばすみたいに、確実にそこにいけるだろうという目標をクリアしていって、次またできる目標を立てていく。これからもコツコツと積み重ねて行きたいと思います。

―なぜ、走るのですか。

 達成感に中毒になっているかもしれないですね。日々の生活のなかで、マラソンで得られる達成感が一番心地良いんです(笑)。

 

ブログに戻る