コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

記事: これからも1歩先の世界を見続けたい

これからも1歩先の世界を見続けたい
interview

これからも1歩先の世界を見続けたい

RRC member interview

text:Shun Sato

サブ3未遂事件

2025ー2026シーズン A1チーム MVP 小南貴彦さん

今年2月の延岡西日本マラソンは、サブ3未遂事件になった。

「3時間07秒ですよね。未遂ですよね」

小南貴彦さんは、そう言って苦笑した。

35km地点まではキロ4分15秒で目標のサブ3の壁を破れるペースで走っていた。40キロまでも粘れていた。だが、残り2.195キロが地獄だった。

「向かい風がめちゃ吹いて来て、なんでここで(風が)来んねんと思っていたんですよ。それでペースがガクッと落ちて、うしろの人にどんどん抜かれていって。これはもう無理やな、今回もあかんかったなと思って諦めて走っていたんですけど、終わってみたら以外と(サブ3に)近くて未遂やなと(苦笑)」

ポイントを自重した調整

延岡から本命の東京マラソンまで1か月ほど時間があった。

本来ならまずは休息して次にレースに備えるが、その翌週に小倉にいる友人に会いに行きがてら北九州マラソン(3時間33分50秒)を走った。その後、大阪マラソンの応援に行く前日に1キロ4分5秒ペースで10キロ走り、帰京すると4分15秒ペースで10キロを走った。練習会はジョグのみ、週に40キロぐらいしか走っていなかった。

「絵さん(片山絵さん)に、走り過ぎはよくないよって言われて、そうやなと。ポイント練習以外は軽くジョグしていました。レース前は、チェリーさん(桜井徹哉さん)みたいに焼肉は無理ですけど、うな重を食べに行きました」

4分15秒とお友達

練習を抑えて臨んだ東京マラソン、30kmまで余裕だった。「このまま余裕でいけるんちゃうかな」と調子に乗っていたという。だが、マラソンの神様は、甘くはない。銀座中央通りの交差点付近で足が攣った。PRECISION(プレシジョン/電解質ドリンク)、芍薬甘草湯など持っているもの全部投入し、持ち直した。40キロまでは延岡マラソン同様に4分15秒とお友達のまま進めた。

「残り2.195キロ、日比谷通りで杉ちゃん(杉田侑菜さん)が『イケる』と叫んでいたんですけど、間に合わへんのかなと思って、もう必死やったんです。でも、ラップを見たら41キロは4分15秒、42キロを4分11秒で行っているんで、キツかったけど、ちゃんと刻めていた。RETOに入った2年前、3時間17分だったんですよ。2年間で17分を縮めてこれたのはRETOがあったからやと思います。ほんまに感謝です」

ちょうど1年前、2025年3月の静岡マラソンで3時間04分25秒をマークし、自己ベストを更新した。1年かけて小南さんは、サブ3の壁を打ち破った。

仲間と走る意味

小南さんは、どんな取り組みをしてきたのだろうか。

「取り組みを変えたとしたら、RETOトレイルで長い時間を動くという練習が入ったことですね。月間の走行距離は300~350キロで、そんなに変化はないんですけど、山で30キロを走ると6時間とかになるんですよ。1キロを7~8分ぐらいで長く動く練習が持久力をつけることに繋がったと思いますし、それがマラソンに活きたと思います」

その一方でスピード系の練習に関しては個人練習会を利用した。ツッチー練やケイタ練、ハマレンなどで1キロ3分50ペースで走る練習に参加し、スピードと持久力をバランスよく取り入れていった。

「そういう個人の練習会はうまく使わせてもらいました。練習メニューそのものもいいんですが、僕は普段一人で走っているので、みんなと一緒に走るのが楽しいんですよ。あと、『FKT』とか『金曜どうでしょう』とか緩いランも朝に行って、みんなと喋って走るのがいい気分転換になるんでありがたいなと思いました」

ラップを積み重ねていく意識

練習などの取り組みを変えただけではなかった。

「意識も変えました。昨年の静岡の時、サブ3を目指してワタビー(渡部健太さん)がペーサーをしてくれたんです。結局、届かなかったですけど、その時、サブ3をしないといけないみたいなメンタルで臨んだんですけど、それが良くなかったと思ったんです。カナちゃん(岡本可奈子さん)が『4分30秒とお友達になる』とよく言っていたと思うんですけど、それをパクろうと。それからサブ3じゃなくて、4分15秒を積み重ねていくという考え方に変えたんです」

12月、チャンレジレースに出て、30キロまでMペースの4分15秒で行けた。2月の延岡では35キロまでMペースで走ると決め、それを実現すると東京では40キロまでMペースで行くと決めた。レースを走るごとに4分15秒で走れる距離を伸ばしていき、東京につなげた。

「何が何でもみたいな感じじゃなくて、ゲーム感覚で4分15秒で走れる距離を増やして、それを重ねていくというマインドでした。そうして、ひとつひとつクリアしていくことで心理的な負担が軽減されたのが大きかったと思います」

いろんなものが噛み合い、東京マラソンでサブ3を達成することができた。

神出鬼没の応援

レース中、小南さんの背中を押してくれたのが応援だったという。ただ、小南さん自身も神出鬼没であちこちのレースでメンバーを応援している。

「マラソンも山も応援に行くのはそりゃしんどい時もあります。運転していかないといけないので体力的にしんどいですし、お金も時間もかかります。でも、楽しいんですよね(笑)。僕はRETO入る前はひとりで走っていたんで、レースでたまに家族や知り合いに応援されるとめちゃモチベーションが上がって頑張れたんです。そういう経験があったのと、応援するとみんな手を振ってくれるじゃないですか。そこから『頑張れよ』と見送るのが好きなんです」

小南さんは、チームで応援する際は、その行動に準じるケースが多いが、個人で動いて応援しているケースも多い。コースを見て、位置的にここが「しんどいやろうな」と思うところや、ここにいた方が走るみんなの気持ちが助かるんじゃないかという判断で神出鬼没を繰り返す。

「ここにいればうれしいんじゃないかなというのと、こんなところにまさかおらへんやろうなっていうところにいるとおもしろいかなと。まぁ神出鬼没というよりも落ち着きがないだけです(笑)」

リアクションが楽しい

名物的なことで言えば、小南さんはイベントなどがある際、Tシャツなどを作り、積極的に楽しんでいる。

「僕の場合、『これ、いつ着んねん』みたいなそのタイミングでしか着れない限定的なもんが多いんですけど、これもみんなに楽しんでほしいからやっています。一応、コンセプトというか、このネタで行こうかなといろいろ考えます。例えば駅伝の場合、このメンバーならこんなデザインでも受け入れてくれそうやなと。不快にならないようにだけ考えて、基本的にちょっと笑えて、喜んでもらえる感じですね。それを着た時のみんなのリアクションを僕は楽しんでいます」

関西人が何かする時、笑いのエッセンスは欠かせないのだ。

ビッグマウスは必要ない

サブ3を達成し、小南さんの次の目標が気になるところだが、サブエガを目指していくことになるのだろうか。

「僕のタイム、2時間58分57秒で55分を狙いにいくにはちょっと微妙な感じやと思うんです。実際、実験的に4分10秒で福井を走ったんですけど、25キロで終わりました(苦笑)。新しいシーズンで一歩ずつ前に進んで行ければいいかなと思うんで、56分を行けたら次55分と、地道に上げていけたらいいかなって思っています」

なぜ、走るのですか

「好奇心がそこにあるからですね。走っていると、もう一歩先の世界を見たいというのがマラソンをずっと続けられている理由やと思います。この一歩先を提案するというのはうちの会社のミッションでもあるので、そこに通じるものがありますね。それに僕はミーハーなので、すぐにいろんなものに手を出してしまうんですけど、ミーハーイコール好奇心やと思うんです。いくつになってもそういうのを忘れずに走るのを楽しんでいきたいと思います」

Read more

ランニングで、人生を取り戻せた
interview

ランニングで、人生を取り戻せた

RRC member interview text:Shun Sato 大阪国際女子への手応え 第16クール B+チーム(目標:フルマラソン 3分20分切り)MVP 長谷部裕子さん 別府大分マラソンを走る前は、大阪国際女子マラソンを明確にイメージできていませんでした。過去2年、相性のよかった別大の1週間前に発熱して、「もう終わった」と思いました。でも、気にかけてくれたなおちゃんたちに「...

Read more
家族とともに駆ける
interview

家族とともに駆ける

RRC member interview text:Shun Sato 本気の受験  2025ー2026シーズン A+チーム MVP 土本優作さん土本優作さんにとって、2025‐2026シーズンは充実の1年になった。 中小企業診断士の試験とマラソン、ともにしっかりと結果を出したからだ。中小企業診断士とは、中小企業の経営強化や問題点の洗い出し、経営面でのアドバイスや指導を行う国家資格...

Read more